結論

およそ57gほどの大麻ワックスを、彼が現在中心として活動しているアメリカから日本に密輸したことで逮捕されました。國母容疑者は調に対し、輸入したことは認めたものの営利目的については否認しています。

2010年のバンクーバーオリンピック日本代表で、プロスノーボーダーの國母和宏容疑者が大麻取締法違反の疑いで逮捕されました。

國母容疑者といえばオリンピックに出発する当日、成田空港でのいわゆる『腰パン』騒動で物議を醸しましたね。

記者から指摘を受けると「反省してまーす」と答えていましたが、そんな彼が逮捕されたと聞いて驚いた人も多いと思います。

この逮捕劇と國母容疑者について、詳しくご紹介していきます。

プロフィール

生年月日:1988年8月16日
出身地:北海道石狩市

4歳の時に初めて目にしたスキー場でのスノーボードに虜になった國母容疑者。

当時は子供用のスノーボードがなかったので、父親が大人用のスキー板で自作したスノーボード板でスノーボードを始めていました。

小学校時代、史上最年少の11歳でプロテストに合格。

12歳でバートン・スノーボードとプロ契約を結びます。

国内外での選手活動を本格化させ、次第に頭角を現していきます。

2003年、世界最大規模のスノーボード大会、バートン・グローバル・オープンではわずか14歳で2位となり、世界の注目を浴びました。


2004年にはエスクトリームスポーツ世界最大の大会である、「X Games」に初出場で4位入賞を果たしています。

2006年のトリノオリンピックではハーフパイプ日本代表として17歳で出場するものの、実力を発揮できずに予選敗退で終わりました。

しかし翌年のスノーボード世界選手権では、日本人として初の銀メダルに輝きます。

2010年のバンクーバーオリンピックでもハーフパイプ日本代表に選出され、8位入賞しています。

最近ではコーチとして活躍し、特に平野歩夢選手とは訓練面だけでなく、私生活でも面倒を見るなど深い師弟関係にあります。

腰パン騒動からの「反省してまーす」会見

2010年2月、日本選手団がバンクーバーオリンピックに出発しようと成田空港へ向かった時のこと。

國母容疑者の、公式ユニフォームの着方に批判が集まりました。

緩く締めたネクタイにズボンを腰までずり下げた『腰パン』姿、さらにシャツの裾を出すという気崩した格好に加え、鼻ピアス、大きめのサングラス、ドレッドヘアというスタイルで現れ、日本人代表選手としてだらしがない姿だと指摘されたのです。

その後の記者会見で記者が服装の乱れを指摘すると、「反省してまーす」と答えました。

さらにその前に、「チッ、うるせえな」という声がマイクに拾われており、これが火に油を注いだ形になりました。


強いバッシングの中で一時は代表出場も危ぶまれましたが、日本代表選手団だった橋本聖子団長の判断で開会式のみ欠席となりました。

橋本団長は会見を開き、彼を予定通り五輪に出場させることを発表。

同席した容疑者は「責任を重く感じています」と、今度は神妙な口ぶりで真に反省しました。

競技の方は決勝まで進みましたがゴール前で転倒し、8位入賞でメダルは逃しました。

大麻で逮捕

そんな「反省してまーす」会見から9年が経った2019年11月6日、麻薬取締法違反の疑いで逮捕されました。

2018年に営利目的で、およそ57グラムの大麻をアメリカから国際郵便で日本に密輸した疑いによるものです。

この大麻は成分を濃縮して作られる、「大麻ワックス」だと判明しました。

大麻ワックスは、大麻独特の匂いが少ないのが特徴で、使用していることが周りに分かりづらいとされています。

國母容疑者が輸入した大麻ワックスは水飴状で紙に塗りつけられており、3つの包みに分けられ、紙やビニールで幾重にも包まれていたということです。

先に逮捕・起訴された30代の会社員宛に送られた国際郵便物の中に大麻成分が検出され、その後の調べで彼の関与が浮上。

濃縮された大麻は、耳かき一杯分で一回分の使用量となるとされます。


また濃縮大麻は金額も高額になることから、57グラムの大麻の量は営利目的の輸入になると疑いを持たれているのです。

調べに対し容疑者は、輸入に関する事実関係は認めたものの、「営利目的ではない」と一部を否認

初犯で個人使用だった場合は執行猶予付きの有罪となることが多いようですが、営利目的だと実刑になる可能性が高まります。

今後の成り行きが注目されるところですね。

國母容疑者は現在アメリカを中心に活動していますが、アメリカは日本と比べると大麻の規制が緩い国です。

そんな事情と、北海道の自宅にあまり帰れていない寂しさから、大麻に手を出してしまったのでしょうか。

自ら出頭して逮捕されたということですが、「反省してまーす」会見といい今回の大麻事件といい、スノーボードのイメージを悪くしてしまったことに変わりはないようですね。

今回ばかりは「反省してまーす」では済まされそうにありません。

高い技術を持っているのですから、更生して欲しいですね。