高校生の時に選抜大会、インターハイ、国体などで優勝し、史上3人目となる高校6冠を達成したボクシングの井岡一翔選手。プロに転向してからもミニマム級、ライトフライ級、フライ級の王座を獲得、3階級制覇を達成するなど、素晴らしい功績を残しています。

 電撃引退したことには多くの人が驚いたと思いますが、復帰もまた電撃で驚きの連続ですね。今回は、そんな彼のタトゥーについて詳しくご紹介いたします。

プロフィール

生年月日 : 1989年3月24日(29歳)
出身地 : 大坂府堺市
身長 : 165.6cm
階級 : スーパーフライ級

プロボクシング戦績

総試合数 : 24
勝ち : 23
KO勝ち : 13
負け: 1

獲得メダル

キングスカップ
2008年バンコク ライトフライ級銅メダル

 中学1年生の時に、叔父の井岡弘樹さんが所属していたグリーンツダジムでボクシングを始めます。中学3年生になるとその叔父が設立した井岡ジムへ移籍し、興国高校在学中には2年時に選抜大会、インターハイ、晴れの国おかやま国体で優勝。2005年度アマチュア部門新鋭賞を受賞しました。

 また3年時も選抜大会、インターハイ、のじぎく兵庫国体で優勝し、史上3人目となる高校6冠を達成しました。2009年にプロに転向、20011年にはプロ入りからわずか8戦目にしてWBC世界ミニマム級の王座に就きます。その後ライトフライ級に転向し、WBAの王座を獲得します。

 2015年にはフライ級に転向、王座を獲得して世界最速で3階級制覇を成し遂げました。2017年12月31日に電撃引退しますが、2018年になって現役復帰を発表します。

 9月8日の復帰戦ではWBC世界スーパーフライ級シルバー王者マックス・アローヨ選手と対戦、10回3-0の判定勝ちを収め、王座を獲得しています。私生活では2017年7月にタレントの谷村奈南さんと婚約、翌年に結婚しますが2018年11月に離婚しました。

謎の文字が彫り込まれたタトゥー

 輝かしい戦歴を誇る井岡選手ですが、驚くことに現役復帰を前にタトゥーを入れていたのです。ご存知の方も多いと多いと思いますが、JBC(日本ボクシングコミッション)は観客に不快な思いを与えるとしてタトゥーを彫った

ボクサーをリングに上げることを禁止しています。

 タトゥーが入ったプロボクサーもいることにはいますが、全てプロボクサーになる前に入れたものです。プロボクサーになってからタ入れた人は皆無だと言われています。まして井岡選手のように、一流の選手がタトゥーを入れることは極めて稀なケースになるとのこと。

 復帰はしたものの、日本のリングには上がらないということなのでしょうか?事実、2017年12月に引退した彼は現在日本のジムに所属していません。そのために、JBCが発行するプロライセンスを取得していないのです。

 日本のリングに上がるためには日本のジムに所属し、プロライセンスを取得しなければなりません。そして、もちろんタトゥーも消さなければならないのです。

 わざわざ入れたタトゥーを消すとはなかなか考えにくいので、これは日本のリングから決別したと思う方が自然かもしれませんね。彼は今、海外のプロモーターとのみ契約しているのです。

タトゥーの意味

 井岡選手の入れたタトゥーは、英文の文字でした。左腕の内側に「Thought is the blossom,language the bud,action the fruit behind it.」と記されておりますが、アメリカの思想家ラルフ・ウォルドー・エマーソンの言葉なのだそうです。

 「思いは花であり、言葉は芽であり、行動はその後に実をつける」という意味が込められています。何かを思うことは物事のスタートをすることであり、言葉によってその思いを芽吹かせ、行動が実をつけるというようなことでしょうか?

 何やら意味が深い言葉ですね。タトゥーを入れた理由をただ「決意です」と語る井岡選手には、アメリカでの復活に並々ならぬ思いがあるのでしょう。「日本人初の世界4階級制覇を達成するのがチャンスを与えてくださった方々への恩返しであり、僕が復帰した意味でもある」とも語っていますが、その脳裏に日本のリングで戦う姿はないのでしょうか?

 彼の言う『決意』とは、アメリカでの成功を手に入れるためのものなのでしょうか?それとも、日本のリングへの決別なのでしょうか?かつて師事したトレーナーのイスマエル・サラス氏とのコンビもアメリカで再結成したのを見ても、アメリカでの復帰戦やボクシングにかける意気込みは大変なものだと思います。

 その覚悟をタトゥーに刻み込んだのでしょう。いずれにしても、2018年12月31日に行われる『WBO世界スーパーフライ級王座決定戦』で、答えの一つが解き明かされるようです。無事に世界4階級制覇をやり遂げて欲しいですね。