結論

『ゴジラVSコング』では出番が大幅にカットされてしまい、英語力不足などから高い壁を痛感したようです。

「ハリウッドの洗礼を受けた。悔しいという気持ちが大きい」

こう語るのは、2022年時点で40歳を迎えようとしている日本を代表する俳優・小栗旬さんです。

彼は舞台監督の父と、クラシックバレエ教師の母という家庭に生まれ育ち、11歳の時からエキストラとして芸能活動を始めた過去を持ちます。

今や大河ドラマ、映画など数々の主演を務める小栗旬さん。

2021年に海外進出を果たしたものの、結果はふるいませんでした。

長年の夢であったハリウッド映画の出演を叶えたというのに、一体何があったのでしょうか?

ハリウッドの高い壁

小栗旬さんは、小学校の卒業文集の夢を書く欄で「ハリウッド進出」と書いていました。

小さい頃から洋画を見て育っていた彼は、エキストラとして出演し始めた頃からハリウッドを意識していたということです。

実際にハリウッドに進出することは憧れであり、だからこそ高い壁を感じていたといいます。

小栗旬さんと言えば、1998年に連続ドラマ『GTO』で初めてレギュラー出演を果たし、

『花より団子』『花ざかりの君たちへ』と言ったドラマに立て続けに出演したことでブレイク。

以降、主演俳優としての道を駆け上がっていきました。

大河ドラマにも複数回出演するなど、彼をテレビで見ない年はないと言えるほどの、押しも押されもせぬ人気俳優です。

そんな小栗旬さんでもハリウッドに対して高い壁を感じ、実際に初出演となった『ゴジラVSコング』では、当人の想像とは違った出来事が起こりました。

『ゴジラVSコング』は世界的怪獣映画『ゴジラ』シリーズの36作目となる作品で、2021年にハリウッドスタジオで制作・公開されています。

監督はアダム・ウィンガードさんで、型にはまることのないユニークな作品に定評がある人物です。

小栗旬さんは、元々ハリウッドから何度かオファーを受けていたそうですが、日本での撮影が多忙で都合がつかなかったり、英語力不足などを理由に断っていました。

しかし、丁度小栗旬さんがアメリカに住んでいた時に映画のオファーを受け、出演を決めたとのこと。

映画の中では、渡辺謙さん演じる「芹沢猪四郎」というゴジラを研究している科学者の息子「芹沢蓮」という役柄を演じています。

この「芹沢連」は、エイペックス社という世界的に見ても高い技術を持つ企業に所属しており、父の野望と情熱を引き継いだ男です。

『ゴジラ』は元々日本が作り出した作品で、それが世界的人気を得ています。

だからこそ日本人である小栗旬さんの役柄は、非常に重要な役割を果たすはずでした。

やはり日本人ということで、普段は使わない英語の台詞に苦戦したものの猛特訓し、更に演技講師に指導を受けながら撮影に挑みました。

また、兄と姉は学生時代留学を経験していたことから、小栗旬さんは英語が堪能ではないことに対してコンプレックスを抱いていました。

学生時代から俳優としての仕事をしていたため、勉強する機会が無かったようです。

しかし海外で生活し、妻である山田優さんは英語の発音が堪能なのを隣で見ていた小栗旬さんは、

今ではコミュニケーションを取れる程度には上達しているそうです。

渡米した理由も「英語力の上達のため」だそうで、ハリウッドスターを目指すためではなく、元より日本に戻ってくる予定だと語っています。

小栗旬さんは、多方向に手を広げることにも定評があります。

『シュアリー・サムデイ』では映画監督を経験し、

「俳優組合」という俳優の権利を守る組織を立ち上げようとするなど、新しいことにどんどんチャレンジしていく人物です。

だからこそ渡米も挑戦の一環で、帰ってきた彼はますます経験を積んで大物になっていることでしょう。

日本では有名な小栗旬さんも、ハリウッドでは新人気分だったようで、

「全てが新鮮」「新人気分でずっと楽しかった」と語っています。

映画のプロデューサーは、

彼を起用した理由は演技を高く評価していたから」

と語っており、映画製作に加わった小栗旬さんに対して期待を寄せていたようです。

そんな小栗旬さんですが、現地でのオーディションの結果は振るわなかったようです。

大河の撮影後は日本で活動すると宣言していることからも、彼が感じたハリウッドの高い壁は相当なものだったことが分かります。

世間からは小栗旬さんにとってのハリウッドの壁とは、

「英語力」と「濡れ場」だと言われているようです。

英語力に関しては、彼自身が足りないと語っています。

濡れ場は殆ど経験が無かったようで、戸惑う場面が多かったと共演者が話しています。

今まで正統派で清潔感あるイケメンとして位置づけられていた小栗旬さんだからこそ、濡れ場は経験不足だったようです。

『ゴジラVSコング』出演

「芹沢連」として映画に出演した小栗旬さんでしたが、実際に映画を見た視聴者からは不評の声が上がっています。

小栗旬さんは、予告ではストーリーに関わってくる重要人物のような扱いを受けていました。

しかし映画が公開されると、予告に反して出演時間が少なく、多くのシーンがカットされてしまったようです。

原因はやはり英語力不足だったようで、

「俺は何しにここに来たんだろう、と思ったこともある」と本音を吐露していました。

台詞は僅かしかなく、その僅かな台詞ですら

「これはハリウッドには行けない」「この英語じゃ厳しい」と言った声が寄せられています。


小栗旬さん主演のドラマ『日本沈没―希望のひと―』で英語での会話が披露されていましたが、

「もっと上手いと思っていた」「発音がひどい」

と指摘されていたところから、あまり英語は上達していなかったようです。

映画の撮影中は制作方針が変更されてしまい、結局小栗旬さんの出番も大幅に減ることになりました。

「演技が至らなかったのだろうと落ち込んだ」

と率直に語っており、本人もとても悔しい思いがあったとのこと。

映画の出番はすぐに終わってしまうという寂しいもので、感電死という壮絶な死を迎えてしまうという役どころでした。

また、白目を剥く演技をしたそうです。

監督はこの演技に大喜びで、このシーンが使われるのだろうと思ったそうです。

白目の演技は彼の日本での型を破ることとなり、視聴者からも驚きの声が上がりました。

初めてのハリウッド映画は失敗に終わってしまいましたが、この悔しさは今もなお英語を勉強するという意欲につながっているようです。

日本に戻ってきて、大河ドラマの撮影が始まっても英語の勉強を続けているとのことで、いつかテレビで流ちょうな英語を披露し、見返してくれるかもしれません。

まとめ

日本人のハリウッド進出は、非常に難しいと言われています。

渡辺謙さんや忽那汐里さんなど一部の俳優はハリウッドでも成功し、その後も活躍していますがまだまだ人数は少ないです。

その原因の1つは、日本の映画業界が大規模だからと考えられています。

つまり日本で成功をおさめれば、海外に進出しなくても十分だということです。

日本では有名でも海外では無名ということも多く、日本で培った名声を活かせないという理由も挙げられています。

また、ハリウッド映画はまだまだ白人が活躍する作品が多く、日本人は脇役でしか需要を得られていないのが現状です。

しかもハリウッドで活躍する日本人はハーフが多く、当然英語をネイティブに近い状態で駆使できています。

日本の俳優は英語力が全体的に欠けているとも言われており、わざわざ日本での成功を捨てて渡米して1から努力するという例は稀だとか。

小栗旬さんだけではなく、日本の数多くの俳優が苦戦しているハリウッド映画。

日本の俳優が、ハリウッド映画の主演を勝ち取る日は来るのでしょうか?