結論

遅刻は自宅が火事になった時の一度だけ。喉も特別なケアはしていないものの、今まで風邪を引いたことがほとんどないそうです。

日本に住んでいれば誰でも聞いたことがあると言っても過言ではない声の持ち主、野沢雅子さん。

野沢雅子さんといえば、赤い髪型とドラゴンボールの孫悟空が思い浮かびますよね。

同作品では孫悟飯や孫悟天など、複数の役を演じ分け、他にも『ゲゲゲの鬼太郎』の鬼太郎、

『銀河鉄道999』の星野鉄郎など、数え切れない程の有名作品に出演しています。

また、「ひとつのビデオゲームのキャラクターを最も長い期間演じた声優」

「ビデオゲームの声優として活動した最も長い期間」がギネス記録にも認定されています。

最初から声優ではなく、もともとは子役で映画などに出演していた野沢さん。

学生時代には劇団に所属し、高校を卒業した後上京し、舞台女優として活動していました。

そのころから自身の生活と、所属していた劇団の経営を支えるため、声優業を始めます。

声優としての最初の仕事は、洋画の吹き替えで少年役でした。

ちなみに日本で初めて、テレビで少年役を演じた女性声優は、野沢さんなのです。

そんな彼女の、声優としてのプロ根性のようなものが感じられるエピソードをご紹介します。

高いプロ意識

子役時代も考えると、3歳から活躍している野沢雅子さん。

そのせいか、とても高いプロ意識を持っています。

まず、50年以上にもなる声優キャリアの中で、一度も体調を崩して休んだことはなく、遅刻は1度きりなんです。

その遅刻も、原因は自宅の火事。隣が火事になってしまい、もらい火してしまったのです。

洋服類も燃えてしまったため、ご近所さんに洋服を借りて仕事に向かったそうです。

仕事場では、火事の事をスタッフにも共演者にも伝えずに、仕事をこなしていたとのこと。

また、野沢さんは喉を痛めたり、病気になったことが一度もない超健康体。


だからといって特別なことは、特にしていないとのこと。

行なっていることと言えば、喉のケア。入浴する際には喉のホコリをとるため、シャワーを喉に直接当ててうがいをしているそうです。

また、手にぬるま湯をためて鼻から吸っているそうです。

吸った後は口から吐く。そうすることで鼻の掃除ができるのだとか。

そのおかげなのか、何十年も風邪を引いていないと自身で語っていました。

365日実施していることは、喉シャワーと鼻うがいと湯船に浸かることだけ。

「喉を過保護にしてはいけない」という信念をもっているそうです。

そのため、喉にあまり良くないと言われている辛い食べ物でも、気にせず食べているそうです。

ただ例外として、烏龍茶だけは飲まないと決めているそうです。

烏龍茶は喉の油分をとる作用があり、喉がカサカサになってしまうのだとか。

喉を商売にしている方々の中では常識なんだそうです。

これは声優に関係なく、私たちの生活にも役立ちそうな知識ですね。

声優プロ根性エピソード

野沢雅子さんが担当した声の代表作ともいえる『ドラゴンボール』シリーズ。

そのためか、「悟空の声で話して欲しい」と言われる事が多々あったそうです。

しかし、野沢さんは「『ドラゴンボール』以外で悟空の声を使用しない」と決めており、必ず断っていました。

親族の間でも野沢さんにアニメの声をお願いしない事は、暗黙の了解で決まっていました。

ところがある日、小学生の姪から電話がきました。

「友達に『おばさんはドラゴンボールの声の人だ』と言っても信じてもらえないから、悟空の声で話して証明してほしい」

とお願いされたのです。

その時ばかりは、姪っ子のために悟空の声で話してあげたそうです。

悟空の声を聞いた友達は驚き、姪っ子さんは自慢げだったとのこと。

いじめられかけた姪っ子のために、一肌脱いであげたのでした。

しかし、親族内でも演じているキャラクターの声を出さないと徹底されているとは、プロとしての意識の高さを感じますね。

なお電話の件は、姪っ子のお母さんの耳に入った結果、姪っ子さんは叱られてしまったそうです。

一通の手紙が起こした奇跡

野沢雅子さんのもとに、一通の手紙が届きました。

それは、『ドラゴンボール』が大好きな男の子のお父さんからでした。

その手紙には、ドラゴンボール好きな息子のために、色紙にサインをして欲しいとのことでした。

そして、息子さんは余命1ヶ月と宣告されていたのです。

そこで野沢さんはスタッフに頼み、メッセージを録音します。

孫悟空の声で男の子の名前を呼び、

「ぜってえ来いよ。オラが劇場で待ってっからな!約束だぞ!」

と応援メッセージを贈りました。

すると男の子は、宣告されていた余命を超え、

『ドラゴンボール』の映画が公開されるまでの半年もの間生き抜き、その映画を鑑賞できたのです。

そして、その翌日に息を引き取りました。

半年後に届いた、男の子のお父さんからの手紙によると、息子さんは起き上がる事もできなくなっていて、

ベッドで映画館まで行ったのにも関わらず、「椅子に座ってみる」と言い、座席で鑑賞したそうです。

また、一緒に男の子の担当であった医者からのお手紙も入っていたそうです。

そこには、

「僕たちは勉強して、それで人の命を少しでも永らえようとか、生きさせようとしてお勉強してやってるんだけど、それもできなくて。アニメの力って何なんでしょう?僕、いま知らされました」

と書いてあったそうです。

野沢さん自身も、「アニメーションには不思議な力がある」と語っていました。

まとめ

野沢雅子さんのエピソードや健康の秘訣、知れば知るほど凄い方だと実感しますね。

声優界の大御所となっても、前線で活躍し続けている野沢さん。日本のアニメ界にはかかせない存在です。

ちなみに『ドラゴンボール』の悟空のセリフとして有名な「オッス!オラ悟空!」は、野沢さんがアドリブで考えたもの。


悟空になりきり演じたことで生まれたセリフなのです。

2022年に、再びドラゴンボールの映画が公開されることも発表されました。

いつまでも、その素敵な声を響かせて欲しいですね。