引退理由については、「俳優という受け皿があることで、ある意味甘えてしまう自分がいる。だから一度その肩書きを取り外して、切羽詰まった状態でがむしゃらに何ができるかを探りたいんです」と語っています。
2020年3月8日、滝川英治さんが俳優を引退することが明らかにしました。
およそ2年半前、ドラマの撮影中にロードバイクによる転倒事故で脊髄損傷という大怪我を負い、懸命なリハビリを経て、パラスポーツ番組のMC として仕事復帰したばかりでした。
車椅子生活を強いられていた滝川さんでしたが、俳優引退という大きな決断をし、新たな世界へ1歩を踏み出そうとしています。
そんな彼に焦点を当ててみました。
プロフィール
生年月日:1979年3月24日
出身地:大阪府枚方市
2002年、大正製薬「リポビタンD」のCMに起用され、芸能界デビュー。
以後5年間に渡って、ケイン・コスギさんのパートナーとして「リポビタンD」のCMに出演しました。
主な出演作品には「仮面ライダーキバ」「龍が如く」「テニスの王子様」「弱虫ペダル」などがあります。
仮面ライダーの思い出 No.68
力
滝川英治さんが引退されるそうですね
ラモンといろんなお店経営を頑張ってましたね。ナイトメア焼き芋だっけ?
ゆりに惚れたとき、太陽と体調を間違えながらも、頑張って告ろうとしてたよね(笑)
恵と名護さんに結婚式の時、恵がゆりに見えたのか、喜んでたなあ pic.twitter.com/vT2REUJODO
— ニャッキー @Gamerch (@Nyackie_BR_CW) March 8, 2020
テレビドラマ、舞台、映画と幅広く活躍していた滝川英治さんですが、知名度が上がったのはミュージカル「テニスの王子様」でした。
イケメン俳優の一方、筋肉美を誇り、スポーツバラエティ番組「スポーツマンNo.1決定戦」にも参戦して、恐怖の1ヶ月メニューとして腕立て2万回、腹筋2万回を達成するほど筋肉隆々の俳優さんでした。
また、あの滝川クリステルさんの従兄弟でもあります。
事故の原因や責任問題
順風満帆な俳優人生を送っていた滝川英治さんに、突然人生を左右する不幸が訪れました。
ドラマの撮影中に、脊髄損傷という大怪我を負ったのです。
2017年9月15日のことでした。
滝川さんは『弱虫ペダルseason2(BSスカパー)』の撮影中、ロードバイクで原付を追い抜くシーンで縁石に衝突し、転倒してしまったのです。
事故原因としては路面の段差にタイヤが引っかかり、うまくハンドルを操作できなかったことが要因のようです。
当時のスポーツ紙では、「現場は片側1車線の下り坂。自転車はロードバイクでヘルメットをかぶって緩やかな右カーブを走行中、左側の縁石と衝突。走行中の原付を追い越すというシーンで時速40キロ前後のスピードが出ていたとみられる。」と報じられています。
滝川英治さん、今までたくさん感動をありがとうございました。俳優引退後も、新しい世界でのご活躍を楽しみにしています。 pic.twitter.com/Nu7Hk2SpvR
— なん (@death_nan) March 8, 2020
すぐにドクターヘリで病院に搬送され、緊急手術を行なった滝川英治さんは一命こそ取り留めたものの、脊髄損傷という大怪我を負ってしまいました。
首から下が全く動かない状態が続き、喉を切開して人工呼吸器をつけなければいけなくなり、一時は声までも失うという最悪の日々でした。
長い入院生活と苦しいリハビリが続きましたが、結局車いすの生活を余儀なくされました。
ネット上では、この事故の責任は誰にあるのかと話題になりましたが、滝川さんは自身のブログで「誰の責任でもなく自分自身の弱さ、甘さが責任だから」とコメントしています。
そして、「弱虫ペダルのこと全く嫌いになんかなってねーよ。ペダルという作品関わっている方々には昔も今も感謝しかないから」とも語っています。
これほどまでの重大な体の損傷を負えば、恨み言の一つも言いたくなるものですが、事故は自分の責任だと言っています。
彼のその心に感動したファンも多いでしょう。
製作者側も少なからず責任を感じているはずです。
しかし滝そんなスタッフに配慮して、「関わっている方々には感謝しかない」と敬服するばかりの言葉を残しています。
俳優引退へ・・・
滝川さんは1年以上に渡る入院生活のなかで懸命にリハビリを頑張り、電動車椅子の操作ができるまでに回復しました。
2019年1月にはパラスポーツ番組のMCとして、仕事復帰をしています。
そんな滝川さんが、俳優引退という大きな決断を下しました。
「そろそろ潮時かな…と。もう一度、最高の舞台に立ち、そして幕を引きたいと思っています」と彼は静かに俳優引退の決意を表しました。
引退を決めたのは2020年1月に行われた、自身の著書『僕の足はまだありますか?』のお渡し会の時でした。
「俳優という受け皿があることで、ある意味甘えてしまう自分がいる。だから一度その肩書きを取り外して、切羽詰まった状態でがむしゃらに何ができるかを探りたいんです」と引退の理由を述べました。
大学時代から芝居一筋でやってきた滝川さんですが、「自分でこの先どうするかを考え動かないと人間・滝川英治の成長はないと思いました」と語っています。
事故からの2年半、最も自分を応援してくれた父や愛犬の死を乗り越えて、さらに恋人から身を引くという人生の悲劇を味わった滝川さんですが、ようやく止めていた時間を進める決意をしたようです。
これからの人生を模索していく中で、滝川さんは絵本を出版する構想を進めているそうです。
他にも講演会やイベントなど、誰でも楽しめるフェスを開きたいという大きな夢も持っているとのこと。
俳優は引退しますが、滝川さんの未来は大きく前進し始めました。
2年半という短くも長い月日を経て得た、滝川さんの新しい未来に心から拍手を送りたいですね。