結論

父親の影響で親戚の家を転々とし、その父親の借金の保証人となった親戚の影響で大学を入学してから3週間で中退するなど、波乱の過去を歩んできました。

『勇者ヨシヒコ』シリーズなど、数々のドラマなどに出演している、ムロツヨシさん。

明るいイメージがある人かもしれませんが、実は壮絶な過去を多く経験しています。

そのエピソードを見ていくと、今テレビで明るく振る舞えているのが、少し不思議に思うほどかもしれません。

両親の離婚や大学中退、劇団のクーデターなど、数々の試練を乗り越えてきたムロツヨシさんのエピソードをご紹介していきます。

複雑な家族との生活

ムロツヨシさんの両親は、彼が4歳のときに離婚しています。

それまでもケンカが絶えなかったそうですが、ある日カバンに荷物を詰めていた母親の後ろ姿を、ムロツヨシさんは今でも覚えているとのこと。

母親が家を出ていき、ムロツヨシさんと5歳上のお姉さんの親権は、父親が持つことになりました。

普通なら、ここから父子3人での生活が始まるわけですが、そうはなりませんでした。

なぜならムロツヨシさんの父親は、子供2人の親権を取ったにも関わらず、子供たちを親戚の家に預けて別の女性のもとへ行ってしまったのです。

そしてその女性は、子供が3人いたのだとか。

その後も父親は離婚・再婚を繰り返し、その度にムロツヨシさんとお姉さんも巻き込まれ、住む場所を転々としていたそうです。

あるときを境に父親とは連絡を絶つようになったムロツヨシさんですが、それでも父親のことは全く恨んでいないそうです。

「この家庭環境だったから、喜劇役者になりたいと思えた」とむしろ感謝しているのです。

そんな中で、親戚に預けられていた時には、ムロツヨシさんはいつでも明るくお調子者に振る舞っていたそうです。


「お調子者は生きる術だった。嫌われたら生きる場所がなくなるから。」と語っています。

また、ムロツヨシさんは家庭内でも、不幸じゃないことをアピールして過ごしていました。

親戚に育ててもらっている以上、自分をかわいそうな人間だと思ったことはないそうです。

小学校に入っても、周りが笑っている方が安心できたというムロツヨシさんは、周りが笑っていることが自分の存在意義だと感じているとのこと。

小学校に上がる前から、周りの大人の顔色を伺う生活をしていて、嫌われないように必死だったのでしょう。

今の明るくてムードメーカーなムロツヨシさんは、この頃にはすでに出来上がっていたのかもしれません。

ムロツヨシさんはその後、父親側の祖父母と姉の4人で暮らすことになります。父親が再婚することになったとき、ムロツヨシさんたちは父親と合流。

このときの父親の再婚相手は、母親と離婚した後に行った『子供が3人いる女性』ではなく、全く別の『子供が2人いる女性』だったそうです。

アパートを2部屋借りて、1部屋は父親と新しい家族が、もう1部屋にはムロツヨシさん、姉、祖父母が住むことになりました。

新しく家族になるにあたってムロツヨシさんの父親は、再婚相手の女性やその子供たちと、ムロツヨシさんたちを一緒に生活させるつもりはなかったとのこと。

そしてムロツヨシさんの祖母は、色々なことが重なったことで心身のバランスを崩してしまい、

ムロツヨシさんとお姉さんは親戚夫妻の家に転居することになりました。

大学を中退した原因

ムロツヨシさんは割と小さな頃から役者に憧れを抱いていたものの、

「偏差値の高い大学に行けば良い人生が送れる」と思っていました。

そして1年浪人した末に、東京理科大学に入学します。

しかしその後、なんとわずか3週間で中退。

その理由を、表向きは「役者を目指すため」としています。

この理由も嘘ではないでしょう。

実際ムロツヨシさんは、この頃に見た舞台『陽だまりの樹』に衝撃を受け、本格的に舞台役者になることを志すからです。

そのため、役者を目指すために大学を辞める、というのもあながち間違いではないのだと思います。

しかしそれとは別にもう1つ、ムロツヨシさんが大学をやめた理由がありました。

実は、ムロツヨシさんが大学生の頃にお世話になっていた親戚の家が、自己破産することになってしまったのです。

破産の原因は、ムロツヨシさんの父親の借金の保証人になっていたこと。

親戚や祖父母はムロツヨシさんに、「大学を辞めることはない」と言ったそうですが、ムロツヨシさんの意思は揺るぎませんでした。

後々ムロツヨシさんは、「理系の私立大学は学費も高いので…」と語っています。

劇団のクーデター

これまで数々の紆余曲折を経てきたムロツヨシさんは、21歳の頃に自分で劇団を立ち上げています。

元々別の劇団に所属していたのですが、ふと

「劇団を立ち上げた人と同じ板の上に立っていても、面白いことはできない」と感じたのだとか。

そしてムロツヨシさんは、自身も含めて5人の劇団ユニットを立ち上げます。

しかし、そのユニットでクーデターが発生。なんとムロツヨシさん以外の4人のメンバーが、

「一緒にやりたくない」と言ってきたのだそうです。

ムロツヨシさんは、自分で立ち上げた劇団ユニットであるにも関わず、不本意な形でその劇団ユニットをクビになったのでした。

正確にはやりたくないというより、「ムロは熱すぎて俺たちとは違う」と言われたそうです。

このことについて本人は、「モノの言い方とか、若い頃はトガっていた」と振り返っています。

普通ならユニット自体を解散させてしまいそうですが、自分が去ることでムロツヨシさんはその場をまとめたのでしょう。

まとめ

当初はコメディリリーフのような立場だったムロツヨシさんも、今や彼をレギュラーとすることで作品の人気が担保できる、という存在にまでなりました。

2021年8月現在、ムロツヨシさんは『ハコヅメ』というドラマに出演していますが、このドラマの窮地を救ったとも言われています。

このドラマの主演を務める永野芽郁さんが、2020年頃から世界的に流行しているウイルスに感染。

撮影から離脱することになり、現場はパニックになってしまいました。

その時に、潤滑油となってうまくまとめた人こそ、ムロツヨシさんだったのです。


ドラマ『ハコヅメ』は、急遽2週にかけて特別編として穴を埋めることにましたが、

その時の山田裕貴さんとのコントっぽいやり取りも急ピッチで撮影を終わらせ、

ドラマファンの間でもその掛け合いは大変話題になりました。

主演が突然離脱するという現場のピンチを、見事に救ってみせたムロツヨシさん。

そうした対応力や今の仕事が絶えない人気っぷりも、壮絶な過去を乗り越えたことによって身につけたものなのでしょうか?

ツラい過去を過ごしてきたムロツヨシさんですが、今後のさらなる活躍に期待したいですね。